2016年5月12日木曜日

シェイクスピアを魅せてくれた人。

うろ覚えですが、演劇学校の最初の授業で、教授が
「あなたたちは残された人生で、あと何回ハムレットが観れると思いますか。」と
学生たちに問いかけた、という話を読んで、ハッとしたことがあります。
シェイクスピアの戯曲を読んでみようと思って、ちまちま読んでいたときに出会った問いかけでした。

初めて劇場で観れたのはシンベリン。
史劇で、長かったけど、開始早々の演出は今でも鮮烈に覚えていて
つい、おおお!と声をあげて、他のお客さんと一緒に拍手して喜びました。
ここでつまんない演出みてたら、きっとシェイクスピア楽しいなぁ!って
そのあと何本も観たりしなかったと思います。

就職活動中に見たヘンリー四世は僕史上一番のお芝居。
酒場のシーンはごちゃごちゃと賑やかに、王室、政治のシーンは優雅に。
戦争のシーンはほぼ素舞台。客席の一番奥までしっかりつかって、
シアタードラマシティを世界観でいっぱいにしたものはとても楽しかったです。

僕が劇場で観たシェイクスピアは、蜷川演出だけ。
この間、映像でだけど、ベネディクト・カンバーバッチのハムレットを見て、
シェイクスピアはもっと楽しめるものなんだと知ることができました。
視野がせまくなってたなぁと思います。
もしくは、目の前にあった蜷川演出作品が大きかったのか。

蜷川演出のハムレットをあと何回観れるのか。
0回になってしまいました。
どこかの教授の問いかけと、0回になってしまったことで
舞台がなまもので、尊いものなんだなぁと実感。

実際、姿をみたことすらないけれど、
明確に、楽しませてくれたり、ドキドキさせられた思い出は残っています。
これを機に、いろんな面白いシェイクスピアが目に止まるようになったらいいな。



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